税理士法人 吉本事務所

京都で税理士をお探しなら
税理士法人吉本事務所まで

column

コラム

受領した領収書に記載漏れがあった場合

アイキャッチ

手書きの領収書を頂く飲食店や小売店などで、たまに領収書に記載漏れがあるときがあるかと思います。
そういったときは、どうしたらよいのでしょうか。
(領収書を受領する方が消費税を納付する必要がある事業者さんで、その領収書に係る支出を経費にするケースとします)

これについては、インボイス制度(適格請求書保存方式)の開始前後で異なります。

(A)インボイス制度開始前(令和5年9月30日まで)

その領収書の内容が、食品などの軽減8%やその他の10%が混在する場合は、区分記載請求書の記載事項を満たしたものである必要があります。

記載事項は、

(1)請求書発行者の氏名又は名称
(2)取引年月日
(3)取引内容
  (軽減税率の対象品目である旨)
(4)税率ごとに区分して合計した税込対価の額
(5)請求書受領者の氏名又は名称(※)
 (※不特定多数の者に対して販売等を行う小売業、飲食店業、タクシー業等に係る取引については、記載を省略できます。)

以上となります。

受領した領収書に、(3)の「軽減税率の対象品目である旨」や(4)の「税率ごとに区分して合計した税込対価の額」の記載がないときは、これらの項目に限って、当該領収書の受領を受けた事業者が、その取引の事実に基づいて、これらの項目を追記し、これを保存することで、納付する消費税の計算に必要な適用を受けられます。つまり、領収書の役割を果たせます。

なお、領収書を受けた側に追記が認められるのは上記記載事項の(3)及び(4)だけであり、その他の記載事項につき追記や修正を受領者側で行うことはできません。

(B)インボイス制度適用開始後(令和5年10月1日から)

買い手は、交付を受けた適格請求書又は適格簡易請求書の記載事項に誤りがあったときは、売り手に対し、修正したものの交付を求め、修正されたものを保存する必要があります(自ら追記や修正を行うことはできません)。
また、買い手において修正した仕入れ明細書等を作成し、売り手の確認をうけた上で、その明細書を保存することもできます。
インボイス前とは領収書に誤りや記載漏れがあった場合の対処方法が、ずいぶん変わりますね。

ちなみに、不特定多数の者に対して販売等を行う小売業、飲食店業などが交付することができる、適格簡易請求書の記載事項は次の通りです。

下線部分が令和5年10月1日からのインボイス制度(適格請求書保存方式)で現行の区分記載請求書に追加される事項です。

(1)適格請求書発行事業者の氏名又は名称及び登録番号
(2)取引年月日
(3)取引内容(軽減税率の対象品目である旨)
(4)税率ごとに区分して合計した対価の額(税抜き又は税込み)
(5)税率ごとに区分した消費税額等又は適用税率
 

・私感

インボイス制度は、領収書や請求書の発行者が、それらの書類にインボイスの登録番号を記載するなど、現在よりも負担が増えるのは多く知られているかと思いますが、領収書等の受領者も今まで通りの方法で領収書等の修正や追加ができなくなるといった負担が生じそうです。

参照:国税庁HP

(2022年8月記載)

(注)当ホームページに記載しております情報の正確性については万全を期しておりますが、 これらの情報に基づき利用者自らが税務申告や各種手続きをされた場合の税務上その他 一切の法律上の責任は保障することはできません。ご了承ください。

無料見積り
相談予約