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コラム

住宅ローン控除のまとめ

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出来るなら、借りないで買いたいマイホームですが、借りざるを得ない人が殆どなので、住宅ローンはかなり税制上優遇されています。それが住宅ローン控除です。

1.優遇される内容

住宅ローン年末残高×1%=税額控除額(40万円を限度。認定住宅は50万円が限度。)
これが優遇の内容です。
例えば住宅ローンの残債が2,500万円の場合
2,500万円×1%=250,000円


「たったの1%?」と思った方は源泉徴収票とメーカーの見積もりとを並べて見ながら、これがどれくらいの控除となるのかもう一度考えてみましょう。
源泉徴収票欄の『源泉徴収税額』これが年収に対してかかっている所得税額です。
給与額面800万、専業主婦と高校生二人を扶養、社会保険加入、これで大体20万円です。
年収600万以上の人ってビジネスパーソンの約20%らしいのですが、所得税額20万円から住宅ローン控除額25万円を差し引くと、所得税は0になります。

しかも、所得税で引ききれなかった分は住民税からも控除されるので、税金の負担はかなり減るものと考えて差し支えありません。

2.利用するためには

普段確定申告をしない人でも、初年度のみ申告が必要です。勿論、商売なんかをしていて、従前から確定申告をしないといけない人は例年通りしないといけません。
2年目以降は年末調整の時に金融機関から送られてくる『年末借入残高証明書』と、税務署に初年度確定申告後にまとめて送られてくる『(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書』を会社に提出するだけでOKです。
ただ、初年度の申告は申告書作成よりも添付書類を揃えるのが大変です。

謄本、売買契約書、ローン残高証明書、その他にも家屋の種類によって、認定通知書の写しや、住宅用家屋証明書など様々な書類が必要となります。

3.適用要件

(1)居住要件・適用住宅

住宅ローンで住宅を取得して、取得日から6月以内にその家に住み、その年12月31日現在住んでいる場合に適用されます。
また、住宅ローン控除は国が耐震基準や築年数など要件を定めていてこれに適合する住宅じゃないと適用がされません。
なので、家を買って、いざ確定申告の時期に住宅ローン控除を受けようと思ったら「これでは受けられないですよ。」と税務署に突っ返されて途方に暮れる方も稀に居るみたいです。
実務上は税務署から『適合証明書』の提出を求められ、指定の基準に適合しない住宅を購入していた場合、当然これを揃える事は出来ず、ローン控除の申請要件を満たさないという訳です。
適合住宅の要件を満たさない住宅は主に中古住宅で起こりえるそうなので、中古住宅の購入を検討している際は、買う前に『住宅ローン控除の適用は受けられますか?』と聞いてから商談に移る必要があります。

(2)適用期間

居住年以後10年間です。ただし、家を買った本人かその家族がその家に住んでいる年だけ適用されます。単身赴任で家族が住んでいる場合はOKですが、転勤で家族が誰も住まなくなった場合には適用がなくなります。
ただし、引っ越しするまでに、「転任の命令等により居住しないこととなる旨の届出書」と「住宅借入金等控除申告書」の未使用分を税務署に提出しておけば、買ってから10年の間に転勤から戻ってきて改めて住み始めた場合には、もう一度確定申告をすることで、その戻ってきた年から残りの適用が可能です。
また、ローン控除適用期間は10年と決まっているため、当然住宅ローンは10年以上で組む必要があります。
8年で組んだら8年間だけローン控除の適用がある訳でなく、ローン控除自体受けることが出来なくなるので注意が必要です。
これはローンの繰上返済の結果、償還期間がトータルで10年を割ってしまっても、同様に繰上以後の年は住宅ローン控除を受けられなくなります。
例えば、返済期間15年のローンを組む⇒繰上返済の結果、返済期間が6年短縮される。⇒15年-6年=9年<10年となり、ローン控除適用不可となる、という感じです。

(3)面積要件

床面積50㎡以上、居住用割合2分の1以上と明示されています。

一戸建てなら、まあ問題なく満たすかと思います。単身用マンションなどで50㎡未満となるケースもあるようなので、購入前には必ず確認しましょう。
確認方法は『登記簿謄本』というものを法務局で取得すればOK。
不動産が作成した書類にも面積は載っていますが、不動産には『壁芯』と『内法』という測定方式があり、簡単に言えば壁の中の柱部分を含めるか含めないか、不動産屋さんはこの柱部分を含む壁芯という方式で掲載しているケースが多いそうです。少しでもよく見せたいという企業努力は結構ですが、これによって見誤らないように注意が必要です。

4.マイホーム売却時の3000万円控除との併用

今まで住んでいた自宅を売却し、新居を住宅ローンで購入して引っ越しをするというケースはよくあることと思います。この居住用の住宅を売った際に、利益が出た場合には当然税金がかかりますが、一定の要件を満たせば、所得から3000万円を控除できるという特例制度があります。この特例制度もとてもお得な制度なのですが、この3000万円控除を受けた場合には、一定の期間、住宅ローン控除の適用が受けられなくなるので注意が必要です。
売却と購入が同時の場合、両方でおいしい思いはできないようになっていますので、どちらを適用した方が得になるかは、きちんと計算してから、適用を受けるようにしなければなりません。

5.期間の3年延長について

消費税が2019年10月から8%から10%に増税になる予定です。この消費税増税対策として、住宅ローン減税の控除期間が10年から13年に延長されることになりました。対象は、消費税率10%で住宅を購入し、2019年10月1日から2020年12月31日の期間に入居した場合に適用が受けられます。11年目から13年目までの控除となる金額は、ローン残高の1%と建物価格(税抜)の2/3%とのいずれか少ない金額となります。これは、消費税増税分の2%を3年間で還元しましょうという趣旨になっているため、2%÷3年=2/3%という割合になりました。

6.まとめ

住宅を買う際には絶対に知っておきたいお得な住宅ローン控除の制度なので、適用が受けられるかどうか十分確認してから、住宅を購入するようにご注意下さい。

 (2019年4月記載)

(注)当ホームページに記載しております情報の正確性については万全を期しておりますが、 これらの情報に基づき利用者自らが税務申告や各種手続きをされた場合の税務上その他 一切の法律上の責任は保障することはできません。ご了承ください。

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